World Wide Web Foundation(ワールドワイドウェブ基金,以下WWW基金)によるネット充実度のランキングが9月5日に発表されました。
WWW基金は、ウェブの考案者であるTim Berners-Lee氏により2008年に設立された民間団体で、特に発展途上国におけるインターネット利用の普及を目指す団体です。
このネット充実度ランキングをきちんと説明してくれているページが無かったので自分で英語を読んでみました。流し読みしただけなので、間違っている箇所などがあればお知らせいただければ幸いです。
Web Indexについて
今回初めて発表された「Web Index」は各国におけるウェブの利用状況や影響力を総合的に計算しまとめた世界初の試みで、今後1年ごとに更新されていくそうです。今回は61カ国についての指標ですが、次回は100カ国以上を含めるつもりでいるようです。多くのニュースサイトで報道されているように、いわゆる各国のネット充実度をランキング付けしたものと言えるでしょう。
最新版はこちらをご覧ください。
Web Index 2012 scores
計測している指標としては以下の3つです。これらを総合してWeb Indexという指標を出して、そのWeb Indexによって順位を決定しています。
The Impact of the Web: ウェブの持つ影響力
表ではImpactに対応。社会的、経済的、政治的な影響力をウェブがどの程度持っているか。ウェブがソーシャルネットワークやビジネスに対してどの程度使われているかも指標に入れる。
Web Readiness: ウェブへのアクセスしやすさ
表ではReadinessに対応。インフラの充実度(ウェブへの接続しやすさ)および、実際にウェブに接続できる人の数(ウェブにアクセスできるだけの教育水準や立場にある人の数)
Web Use: ウェブの利用度
表ではThe Webに対応。実際にウェブを利用している人の割合および、それらの人がアクセスできるコンテンツの量(たとえば国によっては閲覧できるサイトが制限されているところもありますよね)
ネット充実度ランキング
表を丸ごとコピペするのはいろいろとまずい気がするので、上位だけ掲載します。
- スウェーデン
- アメリカ
- イギリス
- カナダ
- フィンランド
- スイス
- ニュージーランド
- オーストラリア
- ノルウェイ
- アイルランド
- シンガポール
- アイスランド
- 韓国
- フランス
- イスラエル
こうしてみるとスウェーデン(1位)、フィンランド(5位)、ノルウェイ(9位)、アイスランド(12位)と北欧勢が強いなあと感じます。(デンマーク、グリーンランドは今回、計測されていません)
ちなみに15位以降は、ドイツ、ポルトガル、スペイン、チリときて、20位にようやく日本が出てきます。
なぜ日本のネット充実度は低いのか?
日本の個別ページを見ますと、ウェブへの接続のしやすさ(Communications Infrastructure)は高いものの、実際に接続できる人(Institutional Infrastructure)が少ないと見られているようです。ネットユーザーは77%で、アメリカの74%よりも高いのですが。若者はみんなネットを使っているイメージがあるので、ご年配の方の接続状況を加味してでしょうか。。。
またアクセスできるウェブの量(Web Content)はまあまあの値を示しているものの、実際にウェブが使われている頻度(Web Use)は低くなっています。
そして何より目立つのが政治への影響力(Political Impact)の低さ。そもそも政治へ影響力を与える手段がウェブのほかにも弱いのが日本の特徴ですから、ある意味仕方の無いところかも知れません。