さて、続いては
沙耶ルートのエンディングで、あやが幼い理樹と共に遊びに行くシーン。
「りきくん、あそぼーっ!」
と言って元気に飛び出すあやの言葉と同時に
スタッフロールが流れ始めます。
このシーンは一体、何を表しているのか、順番に考察していきましょう。
注意! すでにネタバレしてますが、以下もっとネタバレです。
■考察
あやには
「小さなとき(日本で理樹と出会ったとき)に戻ってやり直したい」
という未練・願望がある
○地下迷宮でお弁当を食べるシーンでの沙耶の言葉を思い出してみよう。
「ねえ、理樹くん
この地下に眠る秘宝ってなんだと思う?」
「あたしの推測ではね・・・
秘宝はタイムマシン」
未来に行きたいという理樹に対し
「それは楽しそうだけど、あたしは嫌かな」
「地球が滅んでるかもしれないじゃない
未来に着いた途端、すぐ死ぬなんて馬鹿げてるでしょ」
「もし、できたら・・・小さなときに戻りたいかな
そしてやり直したい」
理樹「でもそれだと僕たちは出会えないよ。それでもいいの?」
「それはやだな」
と「小さなときに戻って、やり直したい」という願いを語っています。
○また、あやの回想シーンにおいても
日本に対する未練はあるものの、
父の姿を見ているとそれを言い出せない、あやの姿が描かれています。
■考察
EDでのあやは虚構世界での出来事を覚えている
虚構世界で理樹が恭介に慰められたあと、あやのシーンに移ります。
・・・あれ・・・。
生きてるや、あたし・・・
そんな馬鹿な・・・
・・・眩しい光が差す。
それに手を透かせてみた。
あれ? 小さいなあ。
お父さん「起きたかい、あや」
そして、お父さんに対して、あやは虚構世界での出来事を語るのです。
その描写からするに、虚構世界のことを詳しく覚えている様子が見受けられます。
■考察
ゲームマスターといえど、現実世界への干渉はできない
これはいわば自明の理。
ゲームマスターはあくまで虚構世界のマスターですから
現実世界にまで干渉することはできません。
■考察
恭介は他者の生み出した虚構世界に干渉できる
佐々美ルートでの恭介がやっています。
なぜ恭介にそんなことができるのかは不明。
さて、これらの考察にリトバスEX考察2 虚構世界についてで考察した
■考察3
虚構世界にクリエイター以上として参加できるのは
現実世界に未練・後悔を残している者である
■考察4
虚構世界での出来事は、ほとんど記憶としては残らない。
を考慮に入れると、次の結論が導きだされます。
■考察
沙耶EDで、あやが子供の理樹と遊びに行くシーンは
あやが生み出した虚構世界である
○まず、あやには
・「小さなときに戻ってやり直したい」という未練がある上、
・意識を失っていることには変わりありませんから
虚構世界を成立させる条件を持っています。
○また恭介といえど、過去にあやを送ることは現実世界では不可能。
しかし、あやの未練に介入して、
あやが望む虚構世界を生み出す手助けをすることはできたのではないでしょうか。
あやにとってしてみれば、
事故の起きた時点 → 子供の頃
という過去に戻ったのですから、
恭介が「タイムマシンで過去に行った」と言うのもあながちウソではないように思います。
○そして、目覚めた先もまた虚構世界だと考えれば
あやが虚構世界での理樹との出来事を覚えていたことも
筋が通ります。
すなわち、
・恭介の生み出した虚構世界から出たあやは
・あや自身の生み出した虚構世界へと再び登場するのです。
そして、おそらくはその世界で、あやが未練として残していた
「やり直し」を行うのでしょう。
さあ、大団円まであと少し!
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